栄光のショパン・コンクール1

1955年のショパンコンクールでのライブ演奏がCD
になっているので、第二位に甘んじた若き日の
アシュケナージの演奏を聴くことが出来ます。

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1位を取ったアダム・ハラシェヴィチのコンクールライブ曲
は3曲で、即興曲第3番 変ト長調、前奏曲 嬰ハ短調 作品45、
バラード第1番 ト短調です。
2位だったアシュケナージは、練習曲 嬰ト短調 作品25-6 と
ポロネーズ第6番 変イ長調の2曲が収録されています。

アシュケナージが演奏した練習曲 作品25-6は難曲中の難曲で
3度のエチュードと言われいる通り、右手の3度の重音が
続くピアニスト泣かせのエチュードなんです。
これをキレのある演奏で、しかも深みのある演奏したとして
地元ポーランドの聴衆を唸らせたといいます。

アシュケナージの演奏の特徴は、兎に角キレが良いんです。
それでいて1音1音が多彩で、ピアノでこんなにいろんな音が
出せるのかと驚かされます。まるでオーケストラの音を
聞いているようなピアノなんです。

当時のアシュケナージは、剃刀の様なテクニックと評された
ほど、超難曲をこともなげにこなすので、英雄ポロネーズ
が簡単そうに聞こえたそうです。
今ではそのアシュケナージよりも優れたテクニックの若手
は沢山いますが、テクニックだけではない、もっと我々の
耳に直接聞こえる以上の何かがあると思うんです。
人間は、肉眼で見えない何かを感じ取るように、聞こえる
以上のものを聞き分ける第六感が、きっと誰にもあるに
ちがいありません。

ともあれ、アシュケナージはこのショパンコンクール2位の
肩書きが後々まで災いして、ショパン弾き的扱いをされて
来ました。その彼がショパンから脱してベートーヴェンを
弾き始めた時、偏見に凝り固まった頭の固いおじさん達が
酷評したのを覚えています。

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