ライブ バービ・ヤール
2000年10月にNHKホールで行われたNHK交響楽団の
定期公演は、音楽監督になったアシュケナージの
指揮によるものでした。
スポンサードリンク
前回紹介したショスタコーヴィチの交響曲第13番
「バービ・ヤール」の詩を、その時のプログラム
の解説から一部引用させていただきます。
まずは千葉潤さんの解説から。
----------------------------------------------------
1941年9月、キエフ北西に一する峡谷バービ・ヤールでは、
ナチス・ドイツによって数万にのぼるユダヤ人大量虐殺が
行われた。公然の事実でありながら、誰もが口をつぐんで
きたこの悲劇を通じて、ユダヤ人迫害の歴史を告発した
エフトゥシェンコの詩『バービ・ヤール』の発表(1961)は
"雪解け"時代における言論と表現の自由すら揺るがす物議
をかもした。詩人の怒りは当のナチス・ドイツのみならず、
ロシア権力内部の根深い反ユダヤ主義にも向けられていた
からである。ユダヤの血を引く友人、知人の知に際して、
幾度もユダヤ的イントネーションを作品に織り込んできた
ショスタコーヴィチがこの詩に取り組むのは、半ば当然の
成り行きだった。
しかし、当初、1楽章の交響詩として作曲されたバービ
ヤールは、のちに四篇の詩が追加され、結局、五楽章の
交響曲として完成された。何ゆえショスタコーヴィチは
計画を変更し、いかなる理由で他の詩篇を選んだのだろうか?
"バーピ・ヤール"?直訳すれば"女どもの谷"。そそり立つ
断崖絶壁は、ロシア文学では虐げられた女性の悲劇の象徴
でもある。
ユダヤ人迫害と女性の悲劇?題名に託されたこの二重性
こそ、まさに交響曲の第一楽章と第三楽章を結ぶ象徴的な
絆である。ここに、反権力の象徴としての笑い(第二楽章)
とそねネガである恐怖(第四楽章)、そして恐怖政治が残した
未来への教訓(第五楽章"出世")を加えれば、この交響曲の
楽章間の見事な照応関係が明らかになるだろう。
スポンサードリンク
サイト内関連記事
- シェーラザード
- ムソルグスキーの友人であり、最初に展覧会の絵を 管弦楽用に編曲したロシアの作曲家......
- ショスタコーヴィチ
- この作曲家について、1記事で書ききるのは無理です。 (他の作曲家についても同様で......
- 交響曲第七番「レニングラード」
- ショスタコーヴィチの交響曲は、全部で15曲 ありますが、中でも人気なのが1番、5......
- ショスタコーヴィチはお茶目
- ショスタコーヴィチの交響曲は、どれも重いテーマを 持っていて、そしてそのどれもが......
- ショスタコーヴィチの証言
- ショスタコーヴィチが、ソ連共産党に対する反体制派と しての明確な意思表明は、表向......
- スターリン時代のショスタコ
- ショスタコーヴィチの証言の中であった、スターリン に関する記述を一部紹介します。......
- ユージナの手紙
- スターリンを怖れて、有りもしないレコードを あると偽った為に、急遽ユージナのピア......
- バビ・ヤール
- ショスタコーヴィチの交響曲第13番のタイトルになっている 「バービ・ヤール」は、......
- バービ・ヤール 第一楽章
- コンサートプログラムに載っていました、千葉潤氏に よる、楽章毎の解説を使わせてい......
- バービ・ヤール 第一楽章(2)
- ・合唱 Krov lyotsa, restekayas po polam. Be......
- バービ・ヤール 第一楽章(3)
- ・合唱 "Lomayut dver!" 「ドアをこわしているぞ!」 ・独唱 "N......
- バービ・ヤール 第一楽章(4)
- ・合唱 "Internatsional" pust progremit, Kog......
- バービ・ヤールの背景
- バビ・ヤール(Babi-Yar)は、ウクライナ共和国の首都 キエフ市郊外にある峡......
- バービ・ヤール 第一楽章の補足
- 12月7日の記事の独唱で、ドレフュスという人物の名前が 出てきますが、これは19......
- バービ・ヤール 第二楽章(1)
- さて、第二楽章ですが、こちらも同じ詩人の詩による もので、タイトルは「ユーモア」......
- 第一楽章の補足
- 12月10日にアップした記事の最後の独唱部分 このわたしは無言の叫びの塊りと......
- バービ・ヤール 第二楽章(2)
- 2) Youmor ユーモア(アレグレット) ・独唱 Tsari, koroli......
- バービ・ヤール 第二楽章(3)
- ・独唱 Khoteli yumor kupit, やつらはユーモアを買収しようと......
- バービ・ヤール 第二楽章(4)
- さて、ロシア語の原文は韻を踏んでいるのが 充分解ったことと思いますので、ここから......
- バービ・ヤール 第二楽章(5)
- ・独唱 ユーモアはきらわれるのには馴れっこで、 そんなことはかゆくもない。 ユー......
- バービ・ヤール 第三楽章
- 第三楽章のタイトルは「商店で」で、アダージョです。 当時のロシアがどんなだったか......
- バービ・ヤール 第四楽章
- 第四楽章のタイトルは「恐怖」(ラルゴ) ・合唱 恐怖はロシアでしにかけている 過......
- バービ・ヤール 第五楽章
- そして、バービ・ヤール最後の楽章のタイトルは 「出世」(アレグレット)です。 ・......
- 展覧会の絵
- ロシア音楽といっても、編曲を外国の音楽家が手がけ て有名になったものもあります。......
- サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団
- 旧称は、レニングラード・フィルハーモニア交響楽団 といいます。音楽監督はユーリ・......
