バービ・ヤールの背景
バビ・ヤール(Babi-Yar)は、ウクライナ共和国の首都
キエフ市郊外にある峡谷の名前です。
この峡谷にはナチスによる強制収容所がありました。
1941年9月29日、ナチスによるユダヤ人虐殺が始まり、
たった2日間で3万人ものユダヤ人が銃殺されました。
しかし、虐殺はユダヤ人に留まらず、ウクライナ人や
ロシア人までも大勢殺されました。
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1943年に、この強制収容所を撤収したが、それまでの
2年間に10万人もの人々が虐殺され、その多くがユダヤ人
でした。
虐殺された死体は、証拠隠滅のためバービ・ヤール峡谷
に埋められたのですが、そんな陰惨な歴史があるのに、
その峡谷には墓碑銘すらないということで、詩人の
エフトゥシェンコは当時の首相・フルシチョフを自らの
詩をもって批判したんです。
ショスタコーヴィチは、その詩に感銘を受け作曲し、
徐々に彼ら二人の親交は深まっていった様です。
ちなみに、現在記念碑はあるようですが...。
戦後すぐにこの交響曲が解禁になったわけではありません。
独唱の最初の4行は初演後何らかの圧力がかかったのか、
詩人自ら手を加え、曖昧なものにしてしまっているそうだ。
今、自分はユダヤ人になったよう。
古代エジプトをさまよっている。
十字架に針づけ(磔)されて死ぬのだ。
そして今もわたしに残る針のあと。
これを以下のように書き換えたんです。
今ここに佇むと、私たちの友愛を認識する気持ちが
私の中に泉のように沸き上がる。
ここはユダヤ人たちと共に
ロシア人やウクライナ人たちも眠っている。
こんな改竄、どうして許してしまったんでしょう。
全く意味をなさなくなってしまうのに。
ショスタコーヴィチはこれには最後まで反対したようで、
おそらくは、詩人に裏切られた様な気持ちだったでしょう。
そんな背景を念頭に、この曲を聴いてみてください。
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