ユダヤの血
まったくユダヤ的ではないアシュケナージですが、それでもユダヤ
の血が入っている事で、1941年夏のヒトラーによるロシア侵略のせい
で、一家して逃亡・放浪の生活になります。
「あるときはホテル住まい、あるときは列車の車両に泊まりこんだ
」と書いてあります。その車両のことを覚えていて、きわめて不潔だっ
たそうです。
スポンサードリンク
方々を放浪した後、タシュケントに数ヶ月とどまったと
書いてあります。
タシケントって、ウズベキスタン!?
当時はウズベク共和国だったわけですが、ここは中央アジア、トル
コ系民族の国でイスラーム圏ですよね。
ここではテーブルしかないようなホテルで、床に寝たとあります。
複数家族がひとつのヤカンを共有していたとも、まともな鍋が
なかったともあるんですね。
当時ウズベキスタンは発展途上の国だったし、病気なんかしよう
ものなら命がけだったようです。
手術受けるにしても、設備も整ってない不衛生な病院でやるの
だから。
アシュケナージはヘルニアの手術、おたふく、麻疹、水疱瘡、
命の危険のある猩紅熱、全部やったそうです。
猩紅熱に関しては、たまたま最新の薬が手に入ったから助かった
ものの、そうでなければ今頃私たちはすばらしい演奏と巡り会え
なかったでしょうねぇ。
ただ音楽家の道を歩みたいだけなのに、なんていろんな不可抗力が
一気に降りかかってくる人生なんでしょう。
一生のうちに「転機」となる出来事が、そう何度もある人なんて
そんなに多くないと思いますが、アシュケナージには大きな転機が
何度もあったんですね。
多分生粋のロシア人で、ソヴィエト時代の体制に組み込まれて
生きていたなら、客観的に自国を見ることはできなかったんじゃ
ないでしょうか。
望むと望まざるとに関わらず、ユダヤ人の血がアシュケナージを
体制からはじき出した結果になったわけです。
スポンサードリンク
サイト内関連記事
- アシュケナージ
- クラシック音楽のブログなのにナンですが、大好きな アシュケナージのコーナーを設け......
- アシュケナージ 2
- アシュケナージは1937年7月6日に、モスクワの東方約 250マイルにあるヴォル......
- 音楽
- アシュケナージが音楽を始めたのは、まさに生活のためであり 彼の才能が一家を支えて......
- アシュケナージの才能
- 後にアシュケナージは、この父親のピアノの才能について「自分に は あんな即興演奏......
- 音楽的要素
- ほとんど両親が別居状態の中で、父親との会話もなく、父の素性を 知らなかったのも無......
- 民族的開放感
- アシュケナージ・ユダヤ人をして「世界統一を狙う悪魔の集団」と まで言わせしめる理......
- 音楽家アシュケナージ
- アシュケナージの一家は、父親の才能のおかげで、わりあいと 生活には困らなかったら......
- 才能の開花
- アシュケナージの才能はピアノを習い始めてすぐに開花し、 彼の教師がすぐに中央学校......
- 学校
- ロシアも排他的なら、ヨーロッパも同様で、当時ロシア音楽を 根拠なしに格下と見なさ......
- アシュケナージとソ連
- アシュケナージが若き日を送ったソ連という国について、こんな 風に書かれて居ます。......
- モスクワでの生活
- そんなモスクワでの生活で楽しかった思い出と言えば、父親 と一緒にサッカーの試合を......
- アシュケナージの両親
- アシュケナージの両親は、いつでも、どんな時でも彼が ピアノを弾けるように環境を整......
- アシュケナージと文学
- コンサートへ行く自由はあったようですね。 でも、多分ロシア物が殆どだったでしょう......
- 先生との出会い
- そうは言っても、戦後は本が少なくなって、かなりコネが ないと手に入らなかったと書......
- アシュケナージの基礎
- アシュケナージはショパンコンクールで二位を獲得して いますが、それはこの中央音楽......
- リヒテルとの逸話
- リヒテルとの逸話が紹介されていました。 リヒテルはアシュケナージが心の中でその演......
- ピアニスト
- 結局、この後アシュケナージは自分が用意した曲を弾いて アドバイスをしてもらったん......
- スパイ活動
- ただ、ソヴィエト連邦の人民であることは、個人の自由が許され ない場合も多々あるん......
- 亡命
- どこへ行くにも見張られていて、まったくプライバシーの ない状況に、自由な国で生ま......
- 演奏活動
- こうして、亡命したという事実を認める事なく、ソ連側は アシュケナージが西側で演奏......
- アシュケナージとイギリス
- おとなしくピアニストで居れば良いものを...といわれることは 多分百も承知だった......
- 故国への思い
- さて、故国を捨てたはずのアシュケナージ。 国を捨てた直後は、日本での公演の際、わ......
- モスクワでの公演
- モスクワでの公演の曲目リストです。 1.ウォルトン/交響曲第2番 2.ブリテン/......
